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天才建築家と日本現代建築と日本の文化 [Movie&Book&Music]

義父の本棚第2弾。
ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡 (中公新書)

ル・コルビュジエを見る―20世紀最高の建築家、創造の軌跡 (中公新書)

  • 作者: 越後島 研一
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 新書
 この人のことを知らなくても、読んでみればすぐに、世界の建築、特に日本の現代建築はこの人の影響を多大に受けているのかもしれないことを理解できる。
 本がわかりやすいわかりにくいというより、このル・コルビュジエの実績がわかりやすいのだ。

 ル・コルビュジエの功績は「ドミノ」と言われる建築における基本原則を持ち出し、実践で示したことなんだろう。
 これを読んだ後なら、今の日本における建築は、昔ながらの和風建築の流れを汲むもの、2x4、そしてドミノかもしれないと思うほどだ。
 特にドミノに関しては、今の日本の高層建築の1/3~半分はこのドミノの影響があるのではないかと思う。



 さて、ル・コルビュジエ。
 サヴォワ邸とロンシャン教会が2大作品になるらしい。
 これがぱっと見は違う。

 この人のすごいところ。
1.2大代表作は、まったく異なるように見えるが、建築的な考え方の基礎には通じるものがあるらしい。
2.建築技術が追いつかず雨漏りするような家に結果的になっても、なぜか評価されているところ。
3.問題があったり課題があったりしても必ず次の仕事を取ってきているところだ。
4.発想がスタート付近とゴール付近では突然変異といえるほどの差のあるものだが、根底は一貫していたこと。
5.一貫した発想のもとで、自らを規制しなかったこと。
6.なにより失敗しようがなにしようが、自らの主張がはっきりしていたこと。

 そのように一貫した発想のもとで、彼は自分の道を切り開き、今ではたくさんの全集が出されるまでの建築家になり、多くの日本人建築家に影響を与えているらしい。
 こんな記事を書く俺も、建築ではないがある意味影響を受けているのだろう。

 失敗しても、なんだかんだ最終的には評価されているんだからすごいもんだ。

 ただ、本としては建築知識が乏しいとかなり読み進めるのに苦労します。途中挫折しそうでした(笑)

 ル・コルビュジェ以外にも、日本には不思議と全世界的な評価よりも、より高い評価で取り上げられてやまないものがたびたび出てくる。

 スーパーセブンもそのひとつかもしれない、実は本国の次に生息数が多いのが日本だ。同じように日本は実は世界の中でも本を読む限り、ル・コルビュジエの影響を世界の平均以上に受けている国なのかもしれない。

 ハリウッド映画でも世界中では全くヒットしなかったのに、日本では大うけしているものがあったりする。確かエディ・マーフィの「ゴールデン・チャイルド」はそのうちの一本だった気がする。

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  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • メディア: DVD


 日本は島国だ。
 一見鎖国を行い、ナショナリズムの強い閉鎖的な国に思われがちだが、実は多様な文化を勝手に吸収して都合よく消化していく、世界一貪欲で文化吸収が上手な国なのかもしれない。
 音楽にしても、流行っている音楽の中で、これほど自国の言葉と他国の言葉を基にした「外来語」が多く混じるのは、日本を中心としたアジア諸国で、とりわけ日本はその「違和感のなさ」と受け入れられている「市民権の高さ」は、ぬきんでていると思う。


 これら一見鎖国風でありながら、文化に関しては非常に柔軟に取り入れていたりするわけだ。
 だから安易に近代建築の歴史物をあっさり壊して現代化して、壊し始めてから大騒ぎするのが日本国民だったりする。
 柔軟に文化を取り入れる素地は、欧米・中東圏とアジア圏の宗教性の差分が、その違いを生んでいるような気がする。アジア圏は、仏教だったり儒教だったり土着宗教だったりが多いわけだが、そのほとんどが多神だ。
 キリスト教やイスラム教は、基本的には一人の神様だ。

 アジア圏は多くの神様がいても、なんとかなってしまう八百万の世界なのかもしれない。つまり文化の流れとともに、新しい神様がやってきても、それを受け入れてしまうのだ。だからクリスマスも普通に楽しめたりする。

 でも、それらの国民性や文化と日本の国の政治は必ず一致していない。
 ル・コルビュジエの建築を受けいれた日本だからこそ、多様な文化を柔軟に使いこなしている2本だからこそ、わかりやすい構造の行政がほしいなぁ。

政治もかなりうざったいけれど、子供ができてからの申請ごともかなりうざったい。
一般の会社を含め、普通に働いていたら、あんな非効率なことはないと思えることがしばしば。

と、たまには難しくしめてみたりする(笑)
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コメント 2

my

こんばんは、これパパさん。

ル・コルビュジェ、存じています。
彼の作品のイスは有名ですよね。
お高いのが玉に瑕ですが・・・。

その機能性、デザイナ性は、さすがに後世に語り継がれるに値すると思います。
by my (2009-04-12 22:13) 

これ

ル・コルビュジェ
巨匠と呼ばれるようになってしまっているので、高いですね。
by これ (2009-05-06 22:48) 

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